ひとえ税理士(の卵)のお小言

写真を撮ると「目瞑ってない?」と必ず言われるひとえ税理士(の卵)です。このブログでは主に若者をターゲットに、税や社会保障をもっと身近に感じてもらえるような記事を書いていきます。ごく稀にお小言も....。

個人事業主と法人の違い

おばんです〜。

来春発売の「どう森」が楽しみすぎる。どうも、たかしです!

 

 突然ですが、皆さんは個人事業主と法人の違いについてご存知ですか?

このブログでは連載記事として「たぬきち成功の軌跡」を紐解き税務の基礎や社会保障の仕組みを楽しく学んでいきます!

今回の記事では”たぬきち商店”を例として個事業主と法人の違いについて解説していきます。

 それでは目次です。

 

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念願の店主なんだなも

1.脱サラして一念奮起!たぬきち夢の独立へ!!

たぬきち『人生一度きり。大勝負に出てやるだなも〜!』

 サラリーマンとして15年の節目を迎えた”たぬきち”は、こつこつと貯めた資金を元手に幼い頃からの夢だった独立を決意しました。しかし、いざ独立といっても何から始めたらいいかもわからない、たぬきち

たぬきち『一体、どうすればいいんだなも〜。』

 まずは手始めに以前から気になっていた”個人事業主”と”法人”の違いについて勉強してみることにしました。

2.個人事業主とは

イ)個人事業主になるためには

 個人事業主とは、個人が事業者となる働き方です。その収入は事業所得となり所得税の申告つまり「確定申告」が必要となります。
※確定申告とは毎年1/1~12/31の収入について自らで集計し規定の書類を作成し、所轄の税務署に提出する手続きのことを言います。提出期限は毎年2/16~3/15の1ヶ月間です。

 個人事業主として開業するためには所轄の税務署に「開業届」という用紙を提出する必要があります。このときに屋号、つまり事業名や青色申告の申請が出来ます。開業届の提出期限は開業してから1ヶ月以内です。

ロ)社会保険関係はどうなるの

 社会保険関係は会社員とは異なり、以下のようになります。

「被用者健康保険」→「国民健康保険」(以下、国保
「厚生年金」→「国民年金

 国保は前年度の所得に応じて年間の保険料が算出されるのに対して、国民年金は所得に関係なく月額16,410円です。(この保険料はこの記事を書いた年の金額です)
前回の記事にも書きましたが厚生年金は事業主が半分負担してくれるため給付額は国民年金に比べて非常に多いです。

たぬきち「ふむふむ。個人事業主というのは案外簡単に始められそうだなも〜。」

 

3.法人とは

イ)法人って株式会社のこと?

 法人とは次のようなことを言います。
人間ではないが、法律上人格を認められ、法律行為を有効になし、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたもの。』

 ちなみに、学校のPTAや大学のサークルは「人格のない社団等」といって法人格は認められていないものの、法人税法上は「法人」と見なされ利益が出ていれば課税されます。人格のない社団等や公益法人についての課税は、それだけで何本も記事が書けるくらい奥が深いのでここでは割愛します。

 話が逸れました‥!! つまり法人とは株式会社だけではなく、他にも「合同会社」「合名会社」「合資会社」「〜財団」「〜法人」など様々なものがあります。また「有限会社」は今はもう作れなくなってます。これについても機会があれば記事にします。

 ロ)法人を設立するには

 今回は一般的な”株式会社”の設立を前提とします。全て丁寧に書くとキリがないので簡単な3ステップにまとめました。

①設立前→発起人決定、商号決定、印鑑作成、資本金額の決定、所在地を決める 

②設立時→定款の作成、資本金の払込、登記書類の作成・申請

③設立後→税務署・地方自治体への申請、社会保険への加入、法人口座の開設

...これだけでもめんどくさそうですよね。設立にかかる費用も結構かかります。

【設立にかかる費用】

・定款印紙代           40,000円
・公証人認証手数料      50,000円
・定款の謄本手数料         約2,000円
・登録免許税     最低150,000円(開業資本金×0.7%)  

 このように専門家に頼まず自分でやったとしても24万円くらいはかかります。

法人の設立は事務の煩雑さに比べてお金もかかります...。

4.まとめ〜たぬきちの選択〜

 今回の内容をまとめると以下のようになります。

個人事業主→税務署に開業届を提出するだけで簡単に始められる。事業で得た利益は事業所得となり所得税の範囲となるため確定申告が必要になる。
 ・法人→設立するだけでも多額な費用と煩雑な事務手続きが必要となる。事業で得た利益は法人税の範囲であり、社長は法人から給料を毎月貰うことになるため給与所得となり「年末調整※」で済む。
※給与所得者を対象に属している企業が代わりに所得税の集計を行うこと。給与所得以外にも所得がある場合は自分で確定申告を行う必要がある。

たぬきち『法人は何だかめんどくさそうだなも〜。とりあえず個人事業主で初めてみるだなも。屋号(店の名前)は、、、たぬきち商店”にするだなも!』

 

 ついに”たぬきち商店”ができましたね!開業してからもぬきちの苦悩は続きそうです...。

 さて、次回は10月から増税される”消費税”。その消費税の基本をたぬきち商店を題材にして解説していきます。

ではでは〜。